バーテンダーになるには?

現役バーテンダー(アルバイト)がバーテンダーになる方法、カクテルの作り方やレシピ、バイトの求人募集や 資格と協会、漫画、接客サービス、スクール情報や「フレア」も幅広く解説。コラムも書いてます

 「カクテルはマティーニで始まりマティーニで終わる」
 「カクテルの代名詞」
 誰が言い出したかはわかりませんがこんな格言があります。





 カクテルの話しになると出てくるのがマティーニです。バーテンダーの間でも一番話しにのぼるものだと思います。
 そこで今回は私も参戦してみようかと思います。といっても私なんかではまだまだ何もわかっていませんし特に強いこだわりなどはないのですがとりあえず話しを続けさせて頂きます。

 「マティーニ」はカクテルの王様と言われているようですがまだまだ知名度が低いのが現状です。
 私もこのカクテルの存在を知ったのは23歳の時でした。つまりバーテンダーとして働き始めてからです。

 初めて見たときはカクテルグラスに透明のようなしかし不思議な色をした液体に魅せられました。美しい湖を思わせられ、口に近づけると独特の香りが広がり、一口飲むとなんとも言えない大人の味わいにときめいたものです。

 当時はカクテルブックや先輩などがこのカクテルを特別視するような事を言うので私は実際にお客様に作るときは特に緊張した想い出があります。


 オーソドックスなレシピをご存知の方は多いと思いますが始めに少しだけ書かせて頂きます。

 材料はドライジン、ドライベルモット、オリーブ、(レモンピール)でステアで作ります。

 今の時代はドライ(辛口)が主流なのでマティーニを注文するとドライマティーニを出されるようになっています。特に辛口なので男性向きのカクテルと言われています。
 それで思いだしましたが私がお客様からマティーニの注文を取ってそれを作るバーテンダーに伝えるとそれはドライマティーニの事で良いのか確認されたのです。ということは逆にスィートマティーニもあるのかと不思議に思ったのです。まだ働き始めて間もない頃でした。

 確かにスィートマティーニは理論上ではできますね。ドライベルモットをスィートに変えてジンは一体どうなるかわかりませんがベルモットの交換だけでも甘いマティーニができます。
 とはいっても未だにそういったマティーニの注文は経験がありませんし聞いた事もありません。これが現代のバーテンダーの感覚なのでしょう。

 初期のマティーニは甘いのが主流でした。なんと今では想像もつきませんがスイートベルモット2に対してジンが1という割合だったとか。
 時代が進むに連れ辛口の傾向が強くなってきたのでこのカクテルも自然とドライになっていったのです。

 ではどれぐらいの割合で普通なのかドライなのかというまた細かい話しになりますが、もちろんそれは飲む人によって違うでしょうがジン4から5割以上でベルモットが1であればドライになるらしいのです。

 少しクドいですがドライマティーニというのが正式名称になっているのかもしれません。
 確かに多くのバーではメニューにしっかりと「ドライ」というのを記述してあるのです。カクテルブックもしかりです。

 このカクテルはバーテンダーの間でも一番論争が激しいものだと思います。先ほどの話しもその一つかもしれませんね。
 レシピはバーテンダーの数だけ、作った人の数だけあるとも言われており、レシピはシンプルですが一番作るのが難しいカクテルとも言われています。これだけのカクテルなのでマティーニは王様にふさわしいと思います。


 マティーニ専門のレシピ本も出版されています。小説のタイトルの一部に付けられる事もあります。
 バーテンダーはそれぞれこだわりのマティーニレシピを持っています。それをバーで楽しむのもおもしろいでしょう。
 何かで読みましたがバーでレシピを指定してマティーニを注文するお客様がいるようで、それを好ましく思わないバーテンダーがいるようなのです。
 私の経験ではあまりないので実感が沸きませんが、とにかくせっかくなのでそのバーの味を試してみれば良いという意見だったのです。

 こういった話しもマティーニならではのマティーニ論争ですね。
 私は飲みたい物を飲めば良いという気楽なスタイルを取っているし、好みは千差万別なのでそういったお客様は何とも思いません。むしろ興味を覚えます。どういった経緯でこのレシピに辿りついたのかという事です。

 また、こういう注文は若者に多いらしいのですが、我々若者にとってはマティーニ一杯が高価で贅沢なので新しい味にチャレンジするよりも知っている確実な味を飲みたいのです。失敗のリスクは背負いたくないのもあります。

 このような私は飲みにいくと非常にうるさいお客になってしまうのです。確かに各バーの味を試すのもおもしろいですがその時知っている確実な味を楽しみたいというのもあるのです。

 有名なマティーニのレシピではベルモットのボトルを眺めながらジンを飲むものや、ジンを飲みながら耳元でベルモットと囁いてもらうという究極の形などがあるようでおもしろいですね。こういった極度の辛口のものはエクストラ・ドライ・マティーニとも言われます。

 最近ではかなり幅広くマティーニとして扱われるようになっているようでフルーツが入ったものなど、本当にマティーニと名前に付けても良いのかなと驚いた事もありました。
 これはおそらくマティーニという名前の響き、発音が単純にかっこいいというのもあるでしょう。記憶ではアップルウォッカマティーニというものがありましたがかなり元祖とはかけ離れていました。

 マティーニに使うベルモットは通常はノイリープラットが良いとされています。私はベルモットはあまり詳しくないのですが今の所この銘柄が良いというのは同感です。ストレートで飲んでも独特の味わいがクセになります。逆に飲みにくいという方もいるでしょうが。
 ジンは日本では圧倒的にビーフィーターが使用されています。やはりドライなのです。


 こういう私はあまりこだわりがありませんが一応私のレシピを書いてみます。
 ジンはタンカレーです。理由はボトルのデザインがかっこ良いと思うからです。
 ベルモットはノイリープラットです。割り合いは4から5対1ぐらいで結構です。

 作り方はミキシンググラスに適度な大きさの氷をいれて軽くステアします。そのままグラスの中の溶けた水分をバースプーンのフォーク部分で中の氷を抑えながら水をきります。
 そのあとは素早く上記の材料を入れます。15回ぐらいステアーしてストレーナーで蓋をしてグラスに注ぎます。

 しかしこの後のレモンピールは少しこだわります。最近はこれを使用しないのが主流になりつつあるようですが、私はできればレモンピールは少し大きめのレモンの皮を使ってして欲しいのです。そしてその後その皮をグラスの中に入れしまいます。また、グラスの縁もレモンで濡らして欲しいです。
 オリーブの銘柄も何でも良いです。できればおつまみにオリーブに盛り合わせを頂きたいです。
 以上です。確かにこれを注文されたら面倒に感じるバーテンダーが多いかもしれません。

 レモンの爽快感をグラスの近くで感じてからジンとベルモットの渋みと強いアルコールを感じるあの瞬間。そしてオリーブを少しかじるとなんとも言えない味わいがじんわり広がっていくのです。今これを書いているだけでも鮮烈に思いだします。そして飲みたくなりました。

 また、アンゴスチュラビターズかオレンジビターズを数滴使用する方もいます。もうこうなれば前述した話のようにやりたい放題という感じは受けますがこの辺りまではまだ正統レシピまではいかなくても認められていると思います。


 カクテルブックなどで良くみる映画に出てくるマティーニが使用されるシーンがあります。「007」シリーズの主人公ジェームズ・ボンドです。ウォッカマティーニをシェイクで注文する様子は渋いですね。

 もう一つ例を上げると映画「7年目の浮気」でマリリンモンローがこのカクテルを飲むシーンがあります。
 この映画では彼女は世間知らずのかわいらしい女の子を演じており、マティーニを注文する時に「大きなグラスで」と言います。連れの男も驚いてしまうのです。その後、一口飲んでから辛かったようで砂糖を入れるように言うのです。

 私はマティーニ専門の本は読んだ事がなかったので今回は調べてみました。やっぱりありましたね。

 内容(「BOOK」データベースより)
 芳醇な香りを放ちながら、グラスに漲る生命のカクテル、マティーニ。憩いの時刻のとば口に置かれた、この奇跡の一杯のレシピはしかし、どこで、誰の手で、どうやって生まれたのか。少なからぬ研究者・愛好家たちの興味を引いてきたその謎の探求は、アメリカ社会・文化史のユニークな一分野ですらある!彼ら“マティーニ探偵”の足跡を追いながら、NY在住の著者が、資料と史料の森に訪ね歩いた、アメリカの相貌。

 本書は人気カクテルであるマティーニの歴史やマティーニにこだわる人々の姿を描いている。そこまでこだわる人がいるのかと驚かされると同時にマティーニの歴史がそのままアメリカの文化史の一面を照らし出していることにも驚かされる。今や様々なヴァリエーションが生まれているマティーニが今後どうなるのか、それはアメリカ社会がどのように変化するかによるのかもしれない。マティーニ好きにはたまらない一冊。
 
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starマティーニの起源と歴史
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 これは非常に興味深い本だとおそらく全てのバーテンダーが思う事でしょう。しかし今回調べるまでは私も知らなかったので他の方も知らないかもしれません。
 そしてここで登場するのがアメリカのようです。アメリカはカクテルの世界でも発展しており歴史的にもたくさんのカクテルがこの国で考案されたのです。

 ちょっと待ってくださいよ。マティーニが作られたのはヨーロッパのイギリスかイタリアとばかり思っていましたがもしかしてアメリカだったのでしょうか。
 それに今気がついたのですが私はマティーニの正確な起源や名前の由来を知らないのです・・・

 なんとなく勝手に1900年頃ジンに甘いベルモットを自然発生的に混ぜたということを想像していました。しかもカクテルブックにもそのような事が書いてあったような気もするのです。ジン・アンド・イット(ベルモット)という現在でいうスイートマティーニのようなものから発展したという記憶がありますが。。。


 この機会に調べてみました。はじめに有力説は3つあるようです。

   1、1910年代にニューヨークのニッカボッカーホテルにいたマルティーニという名のバーテンダーが考案したため。

 2、マティーニの原型となったカクテルで使用されていたベルモットが、イタリアのマルティーニ・エ・ロッシ社製であったため。

 3、カリフォルニアのマルティネで作られたから。

 作家である開高健の著作によると、マルティーニ・エ・ロッシ社が自社のベルモットを拡販するために、このカクテルに「マティーニ」(ジン・アンド・イットかもしれない)と名づけて流行させたというのが事実のようなのです。彼ははサントリーの宣伝部に在籍していたので裏事情には詳しかったのです。もしそうであれば材料のベルモットはマルティーニの方が良いのでしょうか。

 それにしてもその話しが本当であればがっかりです。すでに私は動揺しています。
 お酒の会社も商売なので仕方がないかもしれません。他にもバカルディもありましたね。

 まだマティーニについて書かれた本がいくつかあるようです。前述した本と比べると個人的にはレビューやタイトルから推測するともっと研究したい方や余裕がある方は読んでみても損はないと思います。

 超有名な銀座のバーテンダーが書いた本です。
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 最後に私が気になっているマティーニのバリエーションです。
 まずは
 ダーティーマティーニ(Dirty Martini)です。オリーブの漬け汁を利用したものです。
 スタッフドオリーブを2個使用します。ドライジン60ml、ドライベルモット2tsp、オリーブジュース2tsp。
 これはたまに注文が入りますし私好みの味です。

 35万円「サファイア・マティーニ」
 ボンベイ・サファイア・ジンをベースにブルー・キュラソー等で作るそうですがレシピは不明ですし、中身ではなく装飾が問題なのです。グラスの縁は青い砂糖で飾ってあり、特別注文のサファイアとダイヤモンドの装飾を施したイヤリングが付き、スターリング銀製の楊枝が差してあるのです。

 180万円「ダイヤモンド・マティーニ」
 ニューヨークのアルゴンキン・ホテルのバーで出された本物のダイヤモンド付きのカクテルです。なんと今まで2杯もの注文があったそうです。

 約1千万円「ロブ・カクテル」
 ロンドンのリッツ・ホテルのバーでも金箔入り、13.66カラットのダイヤが付いた特製マドラー付きのカクテルです。これは注文がありませんでした。

 超高級エレガンスカクテルでもマティーニの名が使われるのです。。。
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